テンポ よーく考えよー。お金は大事だよー。
※BL表現あり
苦手な方はブラウザバック推奨
キャラが崩壊しています。
緊張しながら、少し多く作りすぎてしまった料理を並べたテーブルの前で恋人の帰りを待つ
しかし、待てども待てども
ユノヒョンはなかなか帰ってこなかった
ごめんなさい ˘˘̥ ダーリン
「…遅い」
帰って来るだろう時間から、既にもう2時間以上経っている
まさか何処かで事故でも…?
いや、そんなことはない筈だ、きっと撮影が押してしまっているだけなのだろう
スマートフォンで何度も何度もユノヒョンのカトクの画面を開くのだが、喧嘩している今僕から連絡するのはかなり躊躇ってしまった
だって、なんて聞くんだ?
遅いですけど今どこですかって?
チャンミンには関係ないと、そうバッサリと斬られてしまったら最後だ。耐えられそうにない。
そもそも既読無視される場合だってある
ソワソワしながら時計の前を行ったり来たりしていた時
ガチャ
玄関の方で音がした
「!」
パタパタと玄関へ向かうと、そこにはやはりユノヒョンの姿が
「あっ…」
「…!」
思わず駆け寄って行ってしまったが、その後のことを何も考えていなかった
驚いているユノヒョンの顔を見て、どうしたらいいのか口籠る
いや、バカ!
言え、言うんだ!
今言わなかったら、本当に手遅れになってしまうかもしれないんだぞ…!
頑なに素直になれない自分に鞭を打つ
すると、微かに震えてしまったがなんとか声が出た
「ヒョン…」
「…」
「ぉっ…お帰りなさい、」
「…ただいま」
「!」
「…」
仕事以外の会話で、ちゃんと答えてくれた
それが嬉しくて嬉しくて
今ならちゃんと素直に言える
「あの…ご、ご飯作りました。」
「え…」
「ユノヒョンの好きなやつ…良かったら…一緒に、食べませんか」
目を見ることは出来なかったけど、ちゃんと仲直りをしたい気持ちを伝えることは出来たと思う
少しの沈黙にドキドキしながら答えを待つ
まるで全身が心臓になってしまったくらいの緊張感
「ごめん、テミンと食べて来たんだ」
「…!」
「だから、」
しかしユノヒョンからの答えはNo
息が出来ないくらい、胸が押し潰される
いや、確かに今日まで別々に食べていたんだから急に用意しましたと言われても困るのは当たり前だ
ユノヒョンにだって予定はある
仕事の用じゃなくても
僕の知らない予定だってある
だから、仕方がない
ユノヒョンは悪くない
悪くない
勝手に計画して
勝手に待って
勝手に期待したのは僕なんだ
「…そ、そうですか」
「!」
「すみません、なら、平気で、す」
泣くな、と強く耐えたつもりだったけど声が震えてしまった
その瞬間今まで耐えていた何かが弾け、ボロボロと大粒の涙が頬を伝う
「チャンミン…ッ」
「〜ッ」
こんなの、卑怯だ
謝れなかったのは僕で、怒らせたのも僕
悪いのは僕なのに
「ユノヒョンッ…ごめんなさいっ…!」
「…!」
「ごめん、なさい…」
「チャンミン…」
「僕が、僕が悪かったんです、僕がっ…」
作戦は全て完敗
僕はもうどうしたらいいのか分からなくて、気が付けばユノヒョンにたくさんたくさん謝っていた
「ユノヒョンに、嫌われたくな、ぃ」
「チャンミン…」
そんな僕の腕を強く引いて、ぎゅうっと力一杯抱きしめてくれるユノヒョン
その包み込まれる温もりを感じるのはとても久し振りで、そっとユノヒョンの背中に手を回した
「ごめん、冷たくして…」
「…っ」
「謝ってくれて、ありがとう」
「僕が…悪かったんですから、謝るのは…」
「うん。それでも…ありがとう」
ぽん、ぽんと落ち着かせるように背中をテンポ良く叩いてくれて、改めてユノヒョンの広い心に溺れてしまいそうだ
「ご飯、ごめん。まさか作ってくれてるなんて…」
「いや、いいんです…別に大したものじゃないですし」
「明日の朝食べてもいい?」
「えっ…でも、」
「チャンミンが俺の為に作ってくれたんだもん、絶対食べる」
「…なら、明日、温めなおします」
「ありがとう」
涙を掬うように目尻にキスをされた後、頭を固定するように後頭部に手を添えられて、今までの時間を埋めるように吐息を奪うようなキスが降ってくる
何度も何度も唇を重ね、思いを確かめ合うように
離れていた時間を愛おしむように、必死にユノヒョンのキスに応えた
「ヒョン…」
「ん…?」
「本当に、ごめんなさい」
「あはは、もういいって」
コツンと額と額とを合わせ、微笑んでくれるユノヒョン
今回の喧嘩は、ただの喧嘩ではない
大事な事に気付かせてもらった、掛け替えのない時間だったように感じる
ごめんなさい、ダーリン
僕は少し、素直になれたでしょうか
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囲気が分かりやすいと思います♪
テンポ変身は感動。
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テンポをミディアム程度に変化させた、ボサノヴァとクラシックを折衷したようなDi…