インディ・ジョーンズに賭ける若者たち
Solo: Star Wars Story(2018 アメリカ)
監督:ロン・ハワード
脚本:ジョナサン・カスダン、ローレンス・カスダン
製作:キャスリーン・ケネディ、アリソン・シェアマー、サイモン・エマニュエル
製作総指揮:ローレンス・カスダン、ジェイソン・マクガトリン、フィル・ロード&クリス・ミラー
音楽:ジョン・パウエル、ジョン・ウィリアムズ
撮影:ブラッドフォード・ヤング
編集:ピエトロ・スカリア
出演:オールデン・エアエンライク、ウディ・ハレルソン、エミリア・クラーク、ドナルド・グローヴァー、タンディ・ニュートン、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、ヨーナス・スオタモ、ポール・ベタニー
①さすがにやりすぎ感が…
いろいろと物議をかもしたをに選んだ僕です。
当然「ハン・ソロ」も最大限の期待を持って臨みたいところですが、今回は事前の盛り上がりはあまり…な感じでした。
さすがに、ちょっとやりすぎじゃないですかね。以前のトリロジーの時にはブランクが3年あって、否応にも飢餓感が高まったものでした。
新シリーズは間が2年で、なおかつその間にスピンオフも入っているので毎年スター・ウォーズがある状態。
「最後のジェダイ」から「ハン・ソロ」はブランク半年ですからね。1年に2本公開って、昔の寅さんじゃないんだから。
更に、先の情報も出し過ぎなんですよね。既に発表されてるエピソード9と「ボバ・フェット」だけでなく、その先の新3部作だとか、オビワンのスピンオフだとか、テレビシリーズだとか、楽しみというよりうんざり感につながってしまってる。
「待ちに待った」感覚が失われてしまって、あろうことか食傷気味になってしまっています。
僕はもも大好きで、新しい体制になってからのスター・ウォーズには全幅の信頼を置いてはいるのですが、こうも次々量産されると、さすがに「粗製乱造?」とか「売れるうちに売り尽くすつもりでは…」というようなことを考えてしまいます。
もうちょっと慎重に、安売りしないように作っていかないと、結構早めに飽きられて、スター・ウォーズの世界観自体が陳腐になってしまうのではないでしょうか。
いや、次々観られるのはそりゃあ嬉しくはあるんですけどね。複雑な気分になっちゃうんですよね…。
で、ハン・ソロです。いろいろと良くない評判が聞こえてきてしまう…というのもあるんだけど。予告編を観ても、いまひとつアガらなかったんですよね…。
と、いろいろと不安を感じながらも、それでもやっぱり公開初日に観たんですが。
…面白いじゃないですか!
いろいろと疑ってゴメン!って感じ。十分気持ち良く、楽しんでしまいました。
②希少なジャンル「スペースオペラ」
一言で言うと、「古き良きスペースオペラ」でした。
様々なエイリアンが集まる犯罪都市があって、その路地裏を走り回るならず者たちがいて。
宇宙船で様々な惑星を飛び回って、その土地ごとにスケールの大きな冒険を繰り広げる。そんな連続活劇。
寺沢武一の漫画「コブラ」のムードですね。あるいはそのテレビ版「スペースコブラ」。
藤子・F・不二雄の「モジャ公」とか。「星際都市」とか「宇宙犯罪シンジケート」とかね。
更にそのルーツを辿れば、戦前のSF小説の「レンズマン」とか「ジョン・カーター」とか。「スター・ウォーズ」の前にルーカスが映画化しようとしたコミック「フラッシュ・ゴードン」とか。そういう、おおらかで娯楽に徹した、昔懐かしいスペースオペラ。
細かい科学設定とか、SFの約束事に縛られない、思うさま自由に想像の翼を広げた、ファンタジー寄りの宇宙冒険物語。その純粋な楽しみに満ちた作品になっていたと思います。
スペースオペラって、古くからあるジャンルなんだけど、実写の映画で有名な作品って実は割と少ないんですよね。
「多様なエイリアンが集まる犯罪都市」とか、文字や絵で書くのは簡単だけど、実写で再現するのは大変な予算と技術が必要だから。
予算をケチると、途端にショボさが露呈してしまうジャンルなんですよね。クイーンが主題歌を歌った「フラッシュ・ゴードン」も、ショボさは否めない作品でした。
世界をまるごと作り上げる必要があるスペースオペラよりも、アイデアの面白さで見せるSFの方が映画は得意なので、SF映画の傑作は多々あっても、スペースオペラ映画は作られにくい現状があります。
「スター・トレック」なんかでも、スペースオペラ要素も含んではいるんだけど、やっぱりSF的な側面を前に押し出すことの方が多いですね。
マニアックな作品、通受けする作品はいくらかあっても、一般に受け入れられた成功したスペースオペラ映画って、「スター・ウォーズ」が唯一無二の存在。
最近になって、ようやく「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が出てきたくらいで。なかなか巡り会えない、希少なジャンルと言えます。
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日本が誇るスペースオペラ漫画「コブラ」
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「スター・ウォーズ」以降の作品ですが。これを観ると、「スター・ウォーズ」の凄さが逆によくわかるんですよね。
③戦争映画ではない、純粋な冒険活劇
「ボロの出ない、ショボくないスペースオペラ映画」としては「スター・ウォーズ」が孤高の存在だったわけですが、ただ「スター・ウォーズ」って戦争映画なんですよね。タイトルからして、当たり前のことですが。
だから、「ヒーローが宇宙を股にかけて冒険する」純粋なスペースオペラとは、ちょっと違っていたわけです。戦争のシビアな側面が前に出てしまう。
はその戦争映画の側面を思いっきり前に出したスピンオフでしたね。
今回の「ハン・ソロ」のポイントは、「戦争映画ではない」ところだと思います。もちろん、背景として帝国の圧政とか、帝国軍と同盟軍が戦争している状況はあるのだけれど、それはあくまでも背景。
焦点は、どこにも属さない自由人であるハン・ソロや、ならず者たちの個人的な冒険に当たっています。
このスタンスって、「スター・ウォーズ」では初めてのことなんですね。
帝国を倒さねば…そのためには犠牲も厭わない…というような堅苦しい正義は一旦忘れて、あくまでも自分自身の野心や、冒険心のために宇宙へ飛び出していく。
しがらみに囚われることなく、宇宙船で自由に宇宙を飛び回り、ただ思いのままに冒険をする。
これ、まさにコブラ。あるいは宇宙海賊キャプテン・ハーロック。
男の子の誰もが憧れる、夢の世界と言えますね。
犯罪シンジケートから逃れて惑星外へ逃亡。傭兵部隊でならず者一味の仲間入りをして、雪の惑星の大列車強盗にチャレンジ。
舞台を次々と展開させながら、矢継ぎ早に冒険を繰り広げていく。
テンポも良くて、気持ち良く楽しめる王道のエンターテインメントになっています。
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戦争映画側のスピンオフ、ローグ・ワン
④未熟な主人公、そのメリットとデメリット
今作のもう一つの特徴として、主人公が極めて未熟な存在であることが挙げられます。「ハン・ソロの若いころ」が大前提なので、どうしてもそうなっちゃいますね。
だから今作でのハン・ソロは、コブラやハーロックやジェームズ・ボンドみたいに無敵のヒーローというわけにはいかない。
カッコ良い胸のすく活躍を見せるというよりは、いろんな人に見下げられ利用され、泥の中を這いずり回って、なんとか去勢を張って頑張って、のし上がろうとする泥臭いヒーロー像ということになります。
ここは…良い面と悪い面とありますね。
とても等身大の、感情移入しやすい主人公になっているとは言えます。
何も持たないチンピラが、必死で頑張り、先輩たちに助けられて、少しずつ理想のヒーローに近づいていく。
そんなジャンプ漫画みたいな、努力・友情・勝利のドラマは、まずは共感しやすくなっています。
一方で、単純明快なヒーロー物としての爽快感は、やや削がれてしまいますね。
もっとスカッとカッコイイところを見たいのに、なかなかそうならない。
また、そうなると、どうしてもハン・ソロらしさとは遠くなっちゃうんですよね。
いわゆる凄腕の
ガンマン、クールでニヒルなヒーローを戯画化したようなキャラがハン・ソロだから。
「若くて未熟」という時点で、ハン・ソロらしさとは対極になってしまう。企画の時点で、どうしようもないことではあるんですけどね。
⑤主人公がハン・ソロに見えない…という問題点
結局はここが、この映画がファンにいまひとつ支持され切らない部分なんじゃないかと思うのですが。
1本のスペースオペラ映画としては、十分に面白い。
でも、主人公はハン・ソロには見えない。…という点です。
見た目の問題が、まずはデカイですね。
オールデン・エアエンライク…別に悪い役者ではないと思うんだけど、正直、ハリソン・フォードの若いころにはまったく見えない。
いや、ハリソン・フォードってやっぱり二枚目キャラじゃないですか。オールデンはそっちの分類には見えない。どうしても、三枚目キャラに見えてしまいます。
二枚目なのに、三枚目みたいな行動をする…というのがハン・ソロの面白さだと思うんだけど、オールデンだと、ただ単に三枚目が三枚目らしい行動をしてるだけになってしまう。
ハリソン・フォードの若いころと言えば、やっぱりリバー・フェニックスが…っていうね。
そっちなら、たとえ似てなくても、誰も文句は言わないじゃないですか。それはやっぱり、ジャンルが同じだから。
オールデンは「ジャンルが違う」んですよね…。これはもう本人の責任じゃない、キャスティングの問題だと思うんですが。
ハリソン・フォードってあらためて、独特な存在感を持った役者だなあと思います。
別に演技派というわけではない。むしろ、顔の表情も2種類しかない。ニヤッと笑ってるか、困ってるかの2種類しかないような人だけど、でも他の人には出せない存在感があるんですね。
オールデンも、表情とかしぐさとか、ハリソンに寄せる努力をすごくしてるとは思うんだけど。どうしても似てこないんですよね…。
そこに更に、若いころだから本来のカッコよさもクールさも封印されてしまってる。これはオールデンにはあまりにも分が悪い仕事で、気の毒になってしまいます。
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リバー・フェニックスがハリソン・フォードの若いころ。
⑥気になった点、いろいろ
あと少々気になったのは、サービスのつもりなんだろうけど、シリーズとのリンクを入れてきているところ。
犯罪組織クリムゾン・ドーンの首領の正体が最後に明かされるんだけど、見ても驚くとか興奮するとかより「へっ?」っていう。その人死んでるはずやん!という感想しか湧かない。
後で詳しい人に聞くと、小説版ではサイボーグ手術を受けて生き延びていた…とかいうんだけど、そんな設定知らんって!
それこそ、こんなに一見さんに向いている、単独で成立した作品で、そんな重箱のスミみたいな設定を持ち込んでどうするんだ!っていうね。
そもそも、「きちんと終わらない」のもどうもね。
続きがあって嬉しい!というより、最初に書いた商売っ気の方を感じてしまう。
アメリカではコケ気味らしいけど、だからって続きを作らずに放り出すなんてことはないだろうなあ…。
そんなことになったら、それこそ信頼を失うことになってしまう。
ここはきちんと、1本で完結する形にした方が良かったと思うなあ…。ヒロインの行方についても、どうせ想像はついてしまう。オリジナルに登場しない人物が今作の劇中でバタバタ死んでいったように、彼女もどうせ…と思っちゃいますね。
あと、最後のハン・ソロの「勝ち方」。
あれは「新たなる希望」の、例の「特別編で改変されたところ」を意識してるんだと思うんだけど、それこそ特別編しか見てない人には意味がわかりませんよね。
この映画単体で見ると、やや後味の悪い勝ち方になってしまっている。何か、マニアックな部分とそうでない部分がアンバランスに感じてしまうんですよね…。
…と、どうしてもいろいろと文句も出てきてしまうんですが。
基本的には、とても楽しい映画ではありました。十分、楽しい時間を過ごすことができました。
ハン・ソロであること、スター・ウォーズ・シリーズであることを、あまり意識しない方が楽しめるかもしれません。
本当、いっそのこと「コブラ」だと思えばいいんじゃないかな。オールデン、ハリソン・フォードよりむしろ漫画のコブラに似ている気がします。
シリーズのことはさておいて、単体のスペースオペラ映画として、とても楽しい作品に仕上がっているのは確かだと思います。
できるだけ先入観を持たずに、
スター・ウォーズはこうあるべし!」とか堅苦しいことを一旦忘れて、純粋に楽しむつもりで観に行くのがいいんじゃないかと思います。
コブラとオールデン…似てないか!
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例の…ってのは、ハン・ソロがグリードを撃つシーンの話ですが。僕も改変前の方がいいと思うけど、どのみち今は特別編しか観られないんですよね。
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「I hate you」「I know」ってパロディがありましたね。
インディ・ジョーンズから始まる恋もある
アンニョン・・・(^-^)ノ
本国での観客動員数が現在歴代7位となった
大ヒット韓国映画を観てきました
これまで、うちのブログで
公開中の映画について書いた時
「ネタバレ厳禁」と言いながら
けっこう詳しく書いてしまったので
今回から本当にネタバレに注意して書きます(^┰^;)ゞ
SHOWBOXのロゴタイトルってなんか久しぶり
暗殺
暗殺
原題:암살
英語題:Assassination
(2015年、韓国映画、139分、R15+)
監督:チェ・ドンフン
製作:アン・スヒョン、チェ・ドンフン
脚本:チェ・ドンフン、イ・ギチョル
撮影:キム・ムユ、キム・ウヒョン
美術:リュ・ソンヒ
衣装:チョ・サンギョン
音楽:ダル・パラン
出演:チョン・ジヒョン、イ・ジョンジェ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン、チェ・ドクムン、イ・ギョンヨン、オ・ダルス、チョ・スンウ、キム・ヘスク、キム・ウィソン、パク・ピョンウン、チン・ギョン、ホ・ジウォン、キム・ホンパ ほか
傑作でした\(^o^)/
で、終わってもいいほどの映画でした
ちょっと辛口とか言えないような感じやなー、これは。
あとはもう、個人の好き嫌いの範囲じゃないでしょうか。
実は最近、私も次々と映画を観過ぎて
あきらかに満腹状態。
そうなると、どうしても粗に目がいき
正直に楽しめなかったりしてくるもんなんですけど
『暗殺』を観てる間ずっと、劇場で素直に
「こんなにいい映画を観せてくれて、ありがとう」
とほんと、嬉しくなりましたもん、やっぱ(´∀`*)
さすがやったわー、『暗殺』
全てが完璧ですね。
観せ場をつないだような無理な映画ではなく
大きなうねりに圧倒される強力なアクション歴史ドラマ。
例によって何も知らずに観たので
予想外のストーリーと意外な展開に衝撃を受け
その鮮やかな語り口にほれぼれしてしまった、ホンマに。
銃撃戦とかアクションは意外と少ないんですが
それ以外のシーンもまったく退屈しないし
かなり疲れきるほど集中力を要求される作品でした。
結果、大満足としか言えません
『イングロリアス・バスターズ』(2009年)と
いった趣の映画ですし
運命に翻弄されるヒロインの姿から私は
ポール・バーホーベン監督の『ブラックブック』(2006年)も
思い出したりしました。
あと、トラックに飛び移って、敵の運転手をどついて
車外にほおり出すシーンは・・・はい
『インディ・ジョーンズ』を思い出しましたね(´▽`)
(こっちは二人連れでしたが・・・)
しかし
きわめて高い緊張感の持続する映画でありながら
また意外と笑える場面も少なくないことで
やはり韓国映画だなぁーと納得なのです。
そして
ハ・ジョンウ、カッコよすぎ
もう、発狂するほどのカッコよさですわ
ってゆうか、この映画では全員がもう
カッコいいんですけどね、ホ・ン・マ・に( ゚ー゚)( 。_。)
(ほぼ)紅一点のチョン・ジヒョンも
登場シーンから、それに続くいかにスゲエ女か
ってことをサラッと説明する場面も震いつきたくなるほど。
そして男たちがみんな、かっこええ
オ・ダルスも、チェ・ドクムンも
待ってましたのチョ・ジヌンも・・・
それぞれのキャリア史上最高のカッコよさじゃないでしょうか。
キム・ヘスクさんもかっこいいですよー。
イ・ジョンジェは・・・これは
かなりハイリスクな役ではと最後まで観て思ったけど
(観た方はわかってくれはるやろうけど・・・)
やっぱり、それでも、カッコいいのです(`・∀・´)
こういった役柄は表現者として演じたいと
強く惹かれるものなのでしょう。
最後はもう目眩がするほどでした(^_^;)
今回、時代が時代ってことで
キャストはみんな日本語を話すんですが
それが私にはまた嬉しかったですね。
特にイ・ジョンジェがあの声で日本語を話すと
痺れまくりでした
日本語のセリフにも字幕が付くことになったようですので
聞き取りにくくっても大丈夫ですよ。
みんな、上手かったですけどね。
前半は中国語も飛び交ってました。
特にチョ・ジヌンさんとチェ・ドクムンさんが話すとまた
乙な味わいですねー
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危惧されたことだと思いますけど
大日本帝国による植民統治時代を舞台にした映画だけに
日本が悪役で、やっつけられる映画だ、って
(実際は違うんですけど)先入観から思い込んで
観るのを躊躇したり、観る前から拒絶する映画ファンも
少なくないと思いますが・・・
一つ、アドバイスさせてもらいましょうか。
私はアメリカ映画を観る時
アメリカ人の気持ちで観ていました。
フランス映画を観る時にはフランス人の気持ちで
ドイツ映画を観る時にはドイツ人の気持ちで
イラン映画を観る時にはイラン人の気持ちで
中国映画を観る時には中国人の気持ちで観てきました。
映画は、その国の人たちの立場に立って
とてもリアルに新しく体験できることが取り柄です。
確かに『暗殺』には日本人が観たらドキッとするような
凄惨な場面もありますし、日本人の軍人のうちの一人が
かなりイヤなヤツだったりしますが
それは日本人だから身がすくむんであって
実はこのタイプの映画では当たり前のことです。
ただ、監督が配慮したのか、日本悪い!
やっつけろ!じゃない映画なんですよ。
ある人物のセリフからもそれはしっかり読み取れます。
(また一人、日本人のある人物も登場します)
別にこういった「抗日」を描いた映画を批判することが
日本人として愛国心を重んじていることと一致しないと
私はいつも思いますし、どの国にとっても
占領下に独立を願う気持ちには強い意味があります。
映画の本質を受け取るべきだと私は思いますね。
私はキャラの気持ちに強く共感できましたよ。
やはり私も映画を観ていて、日本人が悪者だったりすると
狼狽えを感じもしますけど、また冷静に納得もしてます。
韓国だからどうこう・・・ってのがなかった私は
幸福な映画ファンだと言えますね。
けどなー・・・
実はこの映画、日本は基本的に蚊帳の外なんですよねー。
韓国の独立派と親日派の暗闘の話で
あまり日本は関係ないんですよ。
当時、大日本帝国は朝鮮半島(韓半島)全体を覆う
巨大で暗い存在ではあったかもしれませんけど
この映画はその世界がどういったものかの概要程度で
日本人の悪役が積極的に物語に関わることはないです。
最初の方で、お!と思う日本人が出てきたけど
特に関係なかったし、なんか、すぐにいなくなりました。
個人的には、日本の俳優が強い存在感で悪役を
演じてくれてた方が映画的には広がりがあったかなあ
と、思うんですけど。
とにかく、支配者側である日本よりも
その日本に取り入って利己的に私腹を肥やした
裏切り者たちに対しての怒りが重要な映画であり
最大の悪役は、人々の屍を乗り越えて
戦後までのうのうと生きている人物でしたしたね。
もっと詳しく知りたい方は
私がいつも読んでる
韓・日文化交流連合会 事務局長兼専任講師
機関紙『チャク』編集長
韓国語マガジン『サランヘヨ・ハングンマル』編集長である
武藤克精先生のこの映画についての記事を
映画を観た後で読まれることをオススメ致します。
コチラです
ところで、監督・脚本はチェ・ドンフン監督。
これまでに
『 』(2004年)
『 』(2006年)
『 』(2009年)
『 』(2012年)
といった4作品を作ってきてて
どの作品もヒットさせてきてる凄腕の監督さん。
私は特に『チョン・ウチ』が大好き過ぎなので
相性のいい監督さんだと思ってます。
『暗殺』を観に行く前に私もこれまでの4作品を
観返したんですが(4つともソフトを持ってるのでね)
楽しい映画として始まって後半
ある真相、テーマが浮かび上がるのが共通点ですね。
つまり「復讐」なんだけど、さて『暗殺』ではどうか
5作を並べて考えると、どれも映画ファンに愛される
娯楽作品であるにもかかわらず、意外なほど
監督の作家性が出てますね。
必ずヒットさせるから、監督が好きなように作れるのも
あるんだと思いますけど、なんか『暗殺』を観てて
監督の伝えたいことがよくわかった気がします。
しかし、そうすると実は「ラストの余韻」については
『暗殺』は他の4作品と違うことに気づきます。
個人的には『チョン・ウチ』のいい具合に肩すかしな
あの「あれ?俺ってここに来たことがある?」とか
めっちゃ好きで、それは他の3作もそうだったので
『暗殺』のラストはちょっと気持ちが沈んだ・・・かも?(;´∀`)
『暗殺』は物語が物語だけに
後半の深刻度がきわめて高く、今の私には少し
重すぎたかなー、とは思います。
ちょっとね・・・悲しいものを見たな、ってのもありますし。
あるキャストについては、その俳優さんのそんな姿
目にしたことがなかったので、とても悲しかったです。
気分すっきりで観終えるタイプの映画ではありませんけど
だからチェ・ドンフン監督にとっても『暗殺』は
特に劇的な、正念場の映画だったんじゃないでしょうか。
チェ・ドンフン監督の次の作品が早く観たいものです・・・
ただ、ほんと、この物語では、ああいったフィニッシュしか
ありえないかなー・・・と思いました。
正直、個人的な思いからすると、もうちょっと
軽やかさとか、楽天的な方向性で終わってくれた方が
嬉しかったかといえば、そうかもしれませんね。
例えば、ハ・ジョンウなんて浪人とゆうかハン・ソロとゆうか
しがらみのない、ある意味、自由な立場なんですから・・・
けど、彼がやむにやまれずああいった行動に出ていくのも
イヤとゆうほどわかる。
またいいこと言いますねん・・・( ;∀;)
ネタバレ厳禁で何も言いませんが
やっぱ全員、カッコよかった
すよ・・・
映画が真剣だから、私の心も感動したんでしょうね
それから私が行った時には
ハ・ジョンウとチョン・ジヒョンのコスが飾られてましたよ。
これかー、と感慨深かったけど
「血染めのウェディングドレス」も見たかったーO(≧∇≦)O
B-5サイズになるんかな
最近の傾向からしたら、少し安めですね。
しかも買ったら、写真も1枚もらえました。
韓流ファンの人たちがこういったグッズを愛でるからか
シネマートさんもいろいろくれますね(´∀`*)
パンフは22ページで全ページカラーです。
ストーリーやプロダクションノート
登場人物たちの相関図
イ・ジョンジェとハ・ジョンウ、そして監督のインタビュー
韓国公開時の記者会見の模様など
読みどころ満載で盛りだくさん。
中でも作家、康熙奉(カン・ヒボン)先生が書かれた
「映画『暗殺』の歴史的事実について」は
歴史に詳しくない私には嬉しかったし
映画を観たあとに読んだら、とても面白かった。
映画を観たなら、買うべきでしょう・・・
・・・(つまり『 』ですが)
そして11月12日から公開される『 』の
前売り券も買いましたし
この秋の映画にも期待が高まりまくりですヾ(*´∀`*)ノ
あ、『プリースト 悪魔を葬る者』(略して『プリ黒』)
『華麗なるリベンジ』(略して『リベ検』)の
前売り特典のオリジナルクリアファイルは
まだありましたけど、欲しい方はお早めにね
どの映画を観るか、決まってると観るまでの間
ワクワクで、なんかいつも幸せです(ღˇᴗˇ)。o♡
ところで余談ですが
カン・ドンウォンssiに是枝裕和監督から
「ラブコール」があったようで・・・
いつも極上の「日韓合作映画」の誕生を
強く望んでる私たちの夢がかなう可能性も
にわかに現実味をおびつつ・・・
それにしても是枝監督~
「セクシーで特有の雰囲気がカッコイイ俳優」とはまた
あからさまなラブコールで、私も嬉しくなっちゃいますわ
や、お目が高い
男の趣味が良い・・・っておいッヾ(´▽`)
ふー(o´Д`)=з
内容について触れずに感想を書くのもしんどいですわー。
触れたいねんもん、ホンマは
私もこの2年半で韓国映画をいっぱい観てきて
そのおかげでアジア映画全体に魅了されてきたけど
いや、まだまだ、韓国映画への愛情は減ってへんし
観れば観るほど、好きになっていくように思います。
『暗殺』は私が観た中でも最高傑作の一作でした。
予想はしてたけど・・・それ以上にすげー映画(*≧∀≦*)
絶対に観た方がええですよー
来週(6日~)からもまだ上映は続くようです。
ハッキリ言って通常の映画料金1,800円なら
お釣りが5、6百円は返ってきてしまいそうな映画です。
新宿さんの方は知りませんがシネマート心斎橋さんには
特別料金として割引で観られる日が多いので
是非、劇場で観てほしいなーと思います
ご馳走は完食しないと、次があるかわかりませんぜ
それでは、次は・・・
『 』ですね
皆さんも夏に観る映画を楽しんでッ
それでは、いつも読んでもらって、おおきにです~
またです、アンニョン(^.^/)))