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大津園児死亡事故は本当に悲惨な出来事であり、被害に遭われた原田優衣ちゃんと伊藤雅宮ちゃんのご冥福を祈るとともに、ご遺族を始めとした関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げる次第です。
さて、この事故の報道におけるマスメディアの立ち振る舞いについては、いくつかの問題が指摘されています。社会に対して事故防止を啓発するという大義名分を振りかざして、大津保育園児死亡事故現場に群がった【メディアスクラム media scrum】は、園児を弔い悲しむ人々に容赦なくシャッター音を浴びせ、エモーショナルな映像を片っ端から撮影しては、これらを多分に切り取ってつなぎ合わせることで「テレビドラマ」を作りました。
園児が通っていた保育園の記者会見において悲しみに暮れて取り乱している保育園の園長にテレビ朝日『報道ステーション』の記者が容赦なく無意味な質問を浴びせて号泣させた映像は、まさに【センセーショナリズム sensationalism】の極致であり、多くの人がマスメディアに対して強い嫌悪感を持ったものと推察します。さらにメディアスクラムは、大変な悲しみに直面されている遺族のもとに不躾に押しかけて取材を試みました。
亡くなった二人の遺族は、群がるメディアスクラムに対して、滋賀県警を通して「現在大変な状況なので取材をご遠慮いただきたい」という旨の手紙を渡しました。するとテレビメディアは、一斉にその「大変な状況」を切り貼りしてよりセンセーショナルな悲劇を演出したのです。心にとてつもなく大きなストレスを感じている遺族がこのようなコメントを出すまで取材を試み、挙句の果てにそのコメントを利用してドラマの完成度を高めるメソッドは極めて卑劣であり、人権侵害も甚だしい暴挙と言えます。
確かに悲惨な出来事をマスメディアが伝えることは事故防止の啓発という公共の福祉につながる可能性はありますが、そのことを理由にして、被害者の遺族にさらに大きな心的ストレスを与えてもよいということにはなりません。社会に対する啓発はリアルタイムである必要はなく、遺族のストレスが十分に低下した後にあらためて行うこともできるわけです。
この記事では、最初に遺族の心的ストレスとトラウマについて説明した上で、遺族が報道関係者に送った手紙を紹介し、この手紙の内容をいくつかのテレビ番組がどのように切り取って演出を行ったのか、紹介したいと思います。
遺族の心的ストレスとトラウマ
具体的な手紙の内容の切り取りを紹介する前に、遺族の心のケアが極めて重要である理由を説明したいと思います。
心理学には【レジリエンス psychological resilience】という材料力学の専門用語で表現した概念があります。材料力学でいうレジリエンスとは、物質に【応力=ストレス stress】を加えたときに生じる【ひずみ strain】のエネルギーをストレスを取り除いたときに放出する能力、すわわちひずみを元に戻す「回復力」のことをいいます。下図に示す応力-ひずみ曲線を見て下さい(縦軸:応力、横軸:ひずみ)。
物質にストレスがまったくない状態(図の原点0)からストレスを増加させると、【降伏点 yield stress】というストレスのレベルまでは、赤の実線のように、ひずみも比例して増えていきます。このときストレスを取り除くとひずみも0に戻ります(弾性変形)。ところが、ストレスが降伏点を超えると物質に【傷(微小な割れ目) micro-crack】が発生して物質が弱くなるため、ひずみは急激に大きくなります。そしてストレスを取り除いてもひずみは0に戻らずに【永久ひずみ plastic strain】が残ります(塑性変形)。このように物質に傷が発生するとレジリエンス(回復力)は小さくなるのです。
この挙動を心理学に置き換えてみます。人間の心にストレスが生じると心のひずみが生じます。但し、ストレスが降伏点以下であれば、ストレスが無くなると心のひずみは消えてなくなります。ところが、降伏点を超えるような大きなストレスが生じると、心の傷が発生して人間の心が弱くなるため、心のひずみは急激に大きくなります。そしてストレスを取り除いても心のひずみは0に戻らずに永久ひずみが残ります。この永久ひずみこそがいわゆる【心的外傷後ストレス障害 PTSD】の原因です。
ここで、愛する家族を突然失った遺族は降伏点を超えるような大きなストレスを受け心に傷を負っています。このとき重要なのは心の傷をさらに増やさないことです。すなわち、新たな心の傷が発生すると、それ自体がより強いPTSDを引き起こす要因になります(図の破線の経路)。このような状況において、メディアスクラムの取材は、明らかに遺族の心の傷を増やすものであり、精神医学的に許容できないものです。ストレスがない状態における回復可能な心のひずみとは異なり、回復不可能なトラウマが発生するのです。そして、そんなこともわからずに、メディアスクラムは「社会に対する啓発」なる大義名分を振りかざして遺族に突撃しているわけです。
遺族から報道関係者への手紙
事故の犠牲者の遺族は滋賀県警を通じて次のような談話を発表しました
原田優衣ちゃんの遺族
報道関係各位
青葉の候、各位ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さる、2019年5月8日滋賀県大津市にて残念な事故が起きました。その中で、私共の娘、原田優衣が今回の不慮な事故に巻き込まれ、わずか2年10カ月という短い人生に幕を閉じました。
レイモンド淡海保育園におかれましては短い期間ではありましたが娘のかけがえのない笑顔を見守ってくれた事には感謝の意しかなく今回の事に囚われることなく今後も小さな命に寄り添い、共に歩み続けることを娘もきっと望んでいます。
私共家族としても、家族5人で苦楽を共にし、普通に過ごせると思っておりましたので、今回、娘優衣の突然の逝去に関しては驚きを隠せず、現実とは思えませんでした。然しながら、今自宅で、話をせず、いつも明るく、いたずらっぽい笑顔も見せることもなく、ずっと寝ている娘を見ていると
、徐々にではございますが、私共としても娘の死を受け入れざるを得ません。1日たつ毎に家族としても胸が張り裂ける程の深い悲しみに包まれております。
現在優衣を含め、家族5人で最後の一家団らんを過ごしております。報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。優衣は2年10カ月しか親より愛情を受けておらず、最後に私共夫婦・姉弟よりたっぷりと愛情を注ぐ式にしたいと思います。報道関係各位におかれましても何卒私共の心情を察っして頂き、御配慮の程よろしくお願い致します。原田 学
伊藤雅宮ちゃんの遺族
報道機関の皆様へ
お願い
私たちはこの度の突然の事故で大切な家族を失い深い悲しみを受けています。
このような私たちの心情をお察しいただき、自宅や葬儀会場での取材や写真撮影をご遠慮いただきますようお願い申し上げます。家族一同
これらの談話は、常識的に解釈すれば、極めて大きなストレスに晒されている遺族が、更なるストレスを与えているメディアスクラムの取材を回避するため懸命に書き綴ったものと推察します。特に原田さんは、メディアスクラムの取材をこれ以上受けないようメディアスクラムが求める遺族としての心情を表明するとともに、保育園に対するマスメディアの攻撃が発生しないよう保育園に対して負の感情がないことを書き綴っています。勿論、悲しみの中で近所迷惑の抑止も含めたこのような理不尽な「お願いの手紙」を書くこと自体、大きなストレスになっているものと推察されます。このことはハラスメントの被害者が受ける【2次ハラスメント second harassment】の一つに他なりません。
国民に届かない遺族の真意
テレビメディアは、この遺族からのメディアスクラムに対する取材お断りの手紙から、メディアスクラムを連想させる箇所をすべて消去し、あたかもこの手紙自体が遺族から国民へのコメントであるかのように紹介して放映しました。この腐りきった状況がマスメディアの実態なのです。各番組がどこを消したのか(以下「打消し線」で示します)、しっかり見ていきたいと思います。
■NHKニュースウォッチ9
原田優衣ちゃんの遺族
報道関係各位青葉の候、各位ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さる、2019年5月8日滋賀県大津市にて残念な事故が起きました。その中で、私共の娘、原田優衣が今回の不慮な事故に巻き込まれ、わずか2年10カ月という短い人生に幕を閉じました。
レイモンド淡海保育園におかれましては短い期間ではありましたが娘のかけがえのない笑顔を見守ってくれた事には感謝の意しかなく今回の事に囚われることなく今後も小さな命に寄り添い、共に歩み続けることを娘もきっと望んでいます。
私共家族としても、家族5人で苦楽を共にし、普通に過ごせると思っておりましたので、今回、娘優衣の突然の逝去に関しては驚きを隠せず、現実とは思えませんでした。然しながら、今自宅で、話をせず、いつも明るく、いたずらっぽい笑顔も見せることもなく、ずっと寝ている娘を見ていると、徐々にではございますが、私共としても娘の死を受け入れざるを得ません。1日たつ毎に家族としても胸が張り裂ける程の深い悲しみに包まれております。現在優衣を含め、家族5人で最後の一家団らんを過ごしております。報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。優衣は2年10カ月しか親より愛情を受けておらず、最後に私共夫婦・姉弟よりたっぷりと愛情を注ぐ式にしたいと思います。報道関係各位におかれましても何卒私共の心情を察っして頂き、御配慮の程よろしくお願い致します。原田 学
伊藤雅宮ちゃんの遺族
報道機関の皆様へ
お願い
私たちはこの度の突然の事故で大切な家族を失い深い悲しみを受けています。
このような私たちの心情をお察しいただき、自宅や葬儀会場での取材や写真撮影をご遠慮いただきますようお願い申し上げます。家族一同
NHKニュースウォッチ9は、原田さんの手紙について家族の心情のみ報じました。一方で伊藤さんの手紙については、「このような私たちの心情をお察しいただき、自宅や葬儀会場での取材や写真撮影をご遠慮いただきますようお願い申し上げます」という文章を「このような私たちの心情をお察しいただきますようお願い申し上げます」と不都合な部分を取り除いて狡猾に改変しています。これでは、まるで遺族が国民に「心情を察して下さい」と言っているかのようなとんでもない歪曲報道になっています。
大津園児遺族から報道関係者への手紙は、容赦なく取材するメディアスクラムに対して、悲しみに暮れる遺族がそっとしておいてほしいことを綴ったものでしたが、テレビではその肝心な主旨が巧妙に切り取られて報道されました
— 藤原かずえ (@kazue_fgeewara)
■報道ステーション
原田優衣ちゃんの遺族
報道関係各位青葉の候、各位ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さる、2019年5月8日滋賀県大津市にて残念な事故が起きました。その中で、私共の娘、原田優衣が今回の不慮な事故に巻き込まれ、わずか2年10カ月という短い人生に幕を閉じました。
レイモンド淡海保育園におかれましては短い期間ではありましたが娘のかけがえのない笑顔を見守ってくれた事には感謝の意しかなく今回の事に囚われることなく今後も小さな命に寄り添い、共に歩み続けること
娘もきっと望んでいます。私共家族としても、家族5人で苦楽を共にし、普通に過ごせると思っておりましたので、今回、娘優衣の突然の逝去に関しては驚きを隠せず、現実とは思えませんでした。然しながら、今自宅で、話をせず、いつも明るく、いたずらっぽい笑顔も見せることもなく、ずっと寝ている娘を見ていると、徐々にではございますが、私共としても娘の死を受け入れざるを得ません。1日たつ毎に家族としても胸が張り裂ける程の深い悲しみに包まれております。
現在優衣を含め、家族5人で最後の一家団らんを過ごしております。報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。優衣は2年10カ月しか親より愛情を受けておらず、最後に私共夫婦・姉弟よりたっぷりと愛情を注ぐ式にしたいと思います。報道関係各位におかれましても何卒私共の心情を察っして頂き、御配慮の程よろしくお願い致します。原田 学
「一家団らんを過ごしております」の後の「報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。」という文章をきれいに取り除いて「優衣は2年10カ月しか親より愛情を受けておらず」と続けました。これによって「今、最後の一家団らんを過ごしていて、葬儀も愛情を注ぐ式にしたいので、報道関係者はどうぞそっとしておいて下さい」という手紙を「愛情を注ぐ式にしたい」と国民に抱負を述べる手紙に改変したのです。一方、伊藤さんの手紙については無視しています。
■NEWS23
原田優衣ちゃんの遺族
報道関係各位青葉の候、各位ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さる、2019年5月8日滋賀県大津市にて残念な事故が起きました。その中で、私共の娘、原田優衣が今回の不慮な事故に巻き込まれ、わずか2年10カ月という短い人生に幕を閉じました。レイモンド淡海保育園におかれましては短い期間ではありましたが娘のかけがえのない笑顔を見守ってくれた事には感謝の意しかなく今回の事に囚われることなく今後も小さな命に寄り添い、共に歩み続けることを娘もきっと望んでいます。家族5人で苦楽を共にし、普通に過ごせると思っておりましたので、今回、娘優衣の突然の逝去に関しては驚きを隠せず、現実とは思えませんでした。然しながら、今自宅で、話をせず、いつも明るく、いたずらっぽい笑顔も見せることもなく、ずっと寝ている娘を見ていると、徐々にではございますが、私共としても娘の死を受け入れざるを得ません。1日たつ毎に家族としても胸が張り裂ける程の深い悲しみに包まれております。
私共家族としても、
現在優衣を含め、家族5人で最後の一家団らんを過ごしております。報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。優衣は2年10カ月しか親より愛情を受けておらず、最後に私共夫婦・姉弟よりたっぷりと愛情を注ぐ式にしたいと思います。報道関係各位におかれましても何卒私共の心情を察っして頂き、御配慮の程よろしくお願い致します。原田 学
伊藤雅宮ちゃんの遺族
報道機関の皆様へお願い
私たちはこの度の突然の事故で大切な家族を失い深い悲しみを受けています。このような私たちの心情をお察しいただき、自宅や葬儀会場での取材や写真撮影をご遠慮いただきますようお願い申し上げます。家族一同
NEWS23はニュースウォッチ9や報道ステーションほどは巧妙でないものの、しっかりとメディアスクラムを連想させる箇所を除去しています。
■ひるおび
原田優衣ちゃんの遺族
報道関係各位青葉の候、各位ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さる、2019年5月8日滋賀県大津市にて残念な事故が起きました。その中で、私共の娘、原田優衣が今回の不慮な事故に巻き込まれ、わずか2年10カ月という短い人生に幕を閉じました。
レイモンド淡海保育園におかれましては短い期間ではありましたが娘のかけがえのない笑顔を見守ってくれた事には感謝の意しかなく今回の事に囚われることなく今後も小さな命に寄り添い、共に歩み続けることを娘もきっと望んでいます。私共家族としても、家族5人で苦楽を共にし、普通に過ごせると思っておりましたので、今回、娘優衣の突然の逝去に関しては驚きを隠せず、現実とは思えませんでした。然しながら、今自宅で、話をせず、いつも明るく、いたずらっぽい笑顔も見せることもなく、ずっと寝ている娘を見ていると、徐々にではございますが、私共としても娘の死を受け入れざるを得ません。1日たつ毎に家族としても胸が張り裂ける程の深い悲しみに包まれております。
現在優衣を含め、家族5人で最後の一家団らんを過ごしております。報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。優衣は2年10カ月しか親より愛情を受けておらず、最後に私共夫婦・姉弟よりたっぷりと愛情を注ぐ式にしたいと思います。報道関係各位におかれましても何卒私共の心情を察っして頂き、御配慮の程よろしくお願い致します。原田 学
報道機関の皆様へお願い
私たちはこの度の突然の事故で大切な家族を失い深い悲しみを受けています。このような私たちの心情をお察しいただき、自宅や葬儀会場での取材や写真撮影をご遠慮いただきますようお願い申し上げます。家族一同
「ひるおび」の報道は手紙の朗読に悲劇を煽る過剰演出が認められました。あくまでも私の主観では、悲劇の事故を番組が利用しているとしか思えません。
大津園児遺族から報道関係者への手紙の一部は、感情をあらわにしたドラマ仕立ての過剰演出によって、視聴者の感情を不必要に煽って人気を得るテレビ番組の話題として利用されました
— 藤原かずえ (@kazue_fgeewara)
■ミヤネ屋
原田優衣ちゃんの遺族
報道関係各位青葉の候、各位ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さる、2019年5月8日滋賀県大津市にて残念な事故が起きました。その中で、私共の娘、原田優衣が今回の不慮な事故に巻き込まれ、わずか2年10カ月という短い人生に幕を閉じました。
レイモンド淡海保育園におかれましては短い期間ではありましたが娘のかけがえのない笑顔を見守ってくれた事には感謝の意しかなく今回の事に囚われることなく今後も小さな命に寄り添い、共に歩み続けることを娘もきっと望んでいます。
私共家族としても、家族5人で苦楽を共にし、普通に過ごせると思っておりましたので、今回、娘優衣の突然の逝去に関しては驚きを隠せず、現実とは思えませんでした。然しながら、今自宅で、話をせず、いつも明るく、いたずらっぽい笑顔も見せることもなく、ずっと寝ている娘を見ていると、徐々にではございますが、私共としても娘の死を受け入れざるを得ません。1日たつ毎に家族としても胸が張り裂ける程の深い悲しみに包まれております。
現在優衣を含め、家族5人で最後の一家団らんを過ごしております。報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。優衣は2年10カ月しか親より愛情を受けておらず、最後に私共夫婦・姉弟よりたっぷりと愛情を注ぐ式にしたいと思います。報道関係各位におかれましても何卒私共の心情を察っして頂き、御配慮の程よろしくお願い致します。原田 学
原田さんの手紙の中で、導入部を除いて報道に言及する部分をあからさまに取り除いて紹介したと言えます。まさに報道しない自由を謳歌していると言えます。
欺瞞のテレビ報道
社会に事故防止の啓発という大義名分のもとに、最もつらい思いをしている当事者に強いストレスを与えてネタを取り、まるで善良なる第三者であるかのように報じるマスメディアは腐りきっています。そんな中で光明があるとすれば、朝の情報番組『スッキリ』と『とくダネ!』です。この2番組は遺族の手紙の全文を視聴者に示し、マスメディア批判も展開しました。
このように一つ一つ番組を検証すれば、善意の番組と悪意の番組を振り分けることも可能ですが、残念ながら一般的にはこのような番組の検証は困難です。テレビの放送倫理を向上させるためには誰もが後で番組を検証できる「アーカイヴ化」が必要不可欠であると考えます。
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