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森林浴 デイリーニコニコ
その10秒を削り出せ! どこかの駅伝チームのスピリッツではない。毎朝、駅のホームを清掃していると、決まってそう思う。あと10秒早く家を出れば、そんなに息を切らさずに乗車できるし、座席に腰を下ろすことだってできるかもしれない。もちろん、玄関を出る時間云々(うんぬん)ではなく、「そこに電車が停まっているから走る」という人がいることは分かっている。扉が閉まる前の注意喚起や発車案内が流れた瞬間に走り出す人が何と多いことか…。
吐く息が白くなってきたある日のことである。婆さんとホームを掃いていると、ご老人が階段を駆け下りてきた。電車が発車するという空気を察したからだろう。だが、間に合わなかった。ご老人はぐったりと肩を落とすと、近くにいた俺に当てつけるように言った。
「10秒くらい待ってくれてもいいのにねぇ…。走ってくる人が見えたら、待つのが当たり前じゃないの? そう思わないかい?、お兄さん!」
「そっ、そうですね…」
気持ちは分かる。俺も”発車されてしまった経験”は何度もある。だが、少し考えてほしい。一つの駅で10秒ずつ余計に停車すると、6つ先の駅では1分遅れることになる。もちろん、回復運転といって、通常よりもスピードを上げて制限速度ギリギリで運転をしたり、あるいは車掌が扉の開閉時間を短縮することで、時間を取り戻していくことは出来る。しかし、10秒を削り出すのは簡単ではない。俺も車掌をしていた頃は、随分と悩まされた。待つべきか、待たざるべきか…。
その決断に明確な基準はない。車掌の胸三寸、気分次第と言ってしまえば、それまでだ。俺は”待つ車掌”だったので、運転士には迷惑をかけたと思う。そんな中で、いちばんの失敗は”逆の10秒”だった。
同一ホームで電車の到着が重なることがある。上り電車と下り電車が同時に駅に入ってくることは珍しくない。だが、到着時刻が同じでも発車時刻まで同じだとは限らない。駅の時刻表には分単位までしか記載されていないが、正確な発車時刻は15分00秒であったり、15分30秒であったりする。また、誤解しているお客が時折いるが、発車時刻というのは扉が閉まる時間ではなく、電車が動き出す時間である。それを踏まえた上で、車掌は時刻を確認し、案内放送に合わせて閉扉する。だが、その日の俺はどこか気が抜けていた。疲れていたとか風邪気味だったとか、そんな言い訳は通用しない。俺は向かいのホームに停車していた電車の発車アナウンスに合わせて扉を閉め、電鈴ボタン(運転士への発車合図)を押してしまったのだ。運転士は電鈴に条件反射して電車を発車させる。そして、動き出して数秒が経った後、自分が乗務している電車の発車案内がホームに流れた。
「間もなく怪鳥行き電車が発車します。閉まる扉にご注意下さい」
「あっ、いや…、もう発車しちゃってます」
ホームにいた駅務員が呆然としていた。
「あっ、いや…、すみません。発車しちゃいました」
非常ブレーキを引いて電車を止めることは出来たが、急停車をさせると乗客がドミノ倒しになってしまう危険性がある。もう為す術(なすすべ)がなかった。うなだれる俺に追い打ちをかけるように、ホームへ向かって走ってくるお客の姿が見えた。
「この電車に乗る為に走ってきたのかな…。すっ、すみません…、発車しちゃったんです」
多くのお客は10秒早く発車するより1分遅れることの方が大迷惑だと思うかもしれない。だが、鉄道会社にとっては違う。それは”早発”が法令で禁止されているからだ。当然ながら、そこに遅延を禁止する規定はない。少し考えれば、その理由はすぐに分かると思う。遅延は待っていればいつか電車が来るが、早発は時間を調べて駅へ来たお客が乗れなくなってしまう。言うなれば、お客との約束事を反故(ほご)にするということだ。どちらが大きな問題であるかは明白である。
駅のホームを後にしてスピードに乗った頃、運転士から車内電話がかかってきた。
「おい、清掃氏、ちょっと早くなかったか?」
そう思ったなら発車しないでくれと思ったが、悪いのは俺である。
「ゴテツ先輩…、すっ、すみません。発車させちゃいました」
「まぁ、仕方ない…。速度を落として走るけど、次の駅で10秒長く停まってくれ」
「はっ、はい。了解いたしました」
そして、次の駅である。10秒長ければ、駆け込んで来るお客も余裕を持って待つことが出来る。
「どうぞ。ゆっくりで大丈夫ですよ」
「優しい車掌さんね」
「あっ、いや…、ありがとうございます」
電車は定時運行に戻った。だが、そのまた次の駅での出来事である。俺は運転士に負担をかけまいと、時刻通りに扉を閉めた。間違えたことは何もしていない。しかし、詰め寄ってくるお客がいた。つい先程、『優しいね』と声をかけてくれた年配の女性である。
「ちょっと車掌さん、降りれなかったじゃないの! 前の駅ではあんなにゆっくりとしていたのに…」
「あっ、いや…、時刻通りなのですが…」
「じゃあ、前の駅は何だったの? 随分と長く停まっていた気がするけど…」
「あっ、あの…、えっと…、それはですね、走ってくるお客様の姿が見えましたので、危険がないようにお待ちしておりました」
そう話すしかなかった。まさか10秒早く発車した埋め合わせだなんて言えるわけがない。
「そういうね、曖昧な仕事がいちばんいけないのよ。ドアを閉めるなら閉める、待つなら待つ、ハッキリしなさい。あなた、心に余裕がないのよ!」
あまりにもその通りで返す言葉がなかった。その女性は次の駅で降車し、向かい側のホームへ歩いていった。そして、乗務を終えて乗務員詰所へ戻ると、案の定、お客からの苦情と駅務からの報告が入っていた。もちろん、隠蔽しようなどという考えは微塵もなかった。何百人もの目撃者がいることを考えれば、それは到底不可能なミッションである。自分から伝えて傷口を浅くするしかない。その後、灼熱に焼け焦げた大きな目玉焼き、いや、大目玉を食らったのは言うまでもないだろう。
苦々しい記憶が掘り返され、電球が切れかかって点滅している蛍光灯の下で立ち尽くしていると、婆さんの濁声(だみごえ)で現実に引き戻された。
「ちょっとあんた、そんな所で何ボーっとしてるのよ。お客さんの邪魔になるじゃない…」
「あっ…、すみません」
「あんた、疲れてるんじゃないの? 身体にも心にもね、もっと余裕を持たなきゃダメよ! 仕事で
何でもギリギリの状態でやってたら、いつか事故が起きるわ」
「はっ、はい。仰る通りです…」
「少しずつ”ゆうちょ”を貯めていくのよ」
「ゆっ、郵貯?? どうして郵便貯金の話になるんですか…?」
婆さんはいつも突飛なことを言う。俺には意味がさっぱり分からなかった。
「分かってないわね…。郵便局でも銀行でもなくて、アタシが言っている”ゆうちょ”は、余裕貯金の略よ。少しずつね、余裕を貯めていくの。お金じゃないわよ。時間なら数秒ずつ、頭には素敵な言葉を一つずつ、そして心に浮かべるのは静かな森…」
そんなこと分かるかっ! ”ゆうちょ”と言われて、そこまで連想できるわけがない…。だが、その発想は実に見事である。
「会長、さすがですね」
「あんたとは貯めている”ゆうちょ”が違うのよ。あんた、ゼロじゃないの…」
婆さんの言う通りだった。俺の”ゆうちょ”は残高ゼロである。いつだってギリギリの毎日を送っている。ギリギリまで寝て、ギリギリに家を出て、ギリギリと歯ぎしりをしながら働いて…。これでは人生がギリギリと音を立てて軋んでしまう。
「俺も明日から”ゆうちょ”を貯めていきます。久しぶりに妻とデートした森(【】参照)へ行きたくなりました。今度、心の森林浴をしてきます」
「まだ分かってないみたいね…。明日からでも今度でもないわ。今よ!」
「いっ、今から森へ行けと?!」
「違うわ…。行くのは詰所よ。ほらっ、お茶を飲みに行くわよ、ガハハハハ」
もしかしたら、自分が一休みしたかっただけかもしれない。いや、もしかしなくてもそうだろう。だが、それでいい。そうやって婆さんは”ゆうちょ”を貯めてきたのだろう。俺も他の誰かに余裕を配れるような、”ゆうちょの大富豪”を目指したい。
文:清掃氏 絵:清掃氏・
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しかし『No.9』は幕が上がって1週間でこの完成度、よりブラッシュアップされていき、大千穐楽となったらどれほどの熱量となっていくのか、ちょっと怖い気もする。観る側もエネルギーを要する舞台。でもその分、満たされる感は物凄いものがあると思うので、ご興味のある方はぜひご覧くださいませ。
結婚45年、今でも仲睦まじい老夫婦の方に、夫婦円満の秘訣を聞いたら、「相手が大事にしたいものを、大事にすること。理解できなくてもいい、大事にしたい気持ちをないがしろにしないこと」と答えて、これって夫婦だけじゃなく親子とか友人でも言えることよなと思った。
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