YouTubeで学ぶ神さま

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日本人ほど、神仏の存在に疑いを抱く民族はいないといわれています。

それほど、諸外国と比べると、キリスト、マホメット、釈迦といった傑出した宗教人や神仏をもたなかったからです。

昔から日本には、八百万（やおろず）の神といって、あまりに神の数が多すぎて、どの神を信じていいかわからなかったからです。

また仏にしても、神仏習合といって、神仏は同体だという考えの中で、神道の下に位置ずけられたため、なかなか信仰されなかった面もあります。

さらに明治初年に、維新政府によって神仏分離令が出されると、天皇を神として位置づけるため、廃仏稀釈といって、全国各地の仏寺や仏像をことごとく破壊、撤去してしまったのです。

こうした数々の政府のしたことは、いつの間にか、私たちの心に宗教軽視の考えを植え付けてしまったのです。

これが第二次世界大戦後、天皇が神から人間に戻ったことで、新しい宗教、特に多くの仏教教団が、発展することにつながったのです。

太平洋戦争で、戦死した兵士は、天皇陛下万歳か、おかあさん！　といって亡くなったと聞きますが、お釈迦さま、神さまと叫んで死んだ兵士の話は聞いたことがありません。

今の日本人の宗教精神や神秘の力を失ったのは、明治初期の廃仏運動だと、私は思うのです。

ほとんどの日本人は、新年になると、どこかの神社仏閣に参拝します。

でも、それは単なる参加行動で、信仰とは別物です。

別に、必ず神の存在を信じなければならないわけではありません。

でも、この世の目に見えるものだけしか信じないというのでは、人間が浅薄になる気がします。

というより、詫（わ）びる精神がなくなるのが恐ろしいのです。

今は、多くの企業が、消費者を裏切る商品を売るようになりました。儲けるだけの考えに、こり固まっているからなのかもしれません。

結婚にしても離婚が増える一方ですが、これはすべて、他人に対する詫びの精神が失われているからです。

それは神仏という、もう一つの目の存在を忘れているように思うのです。